オープンソース純粋培養肉
大量培養した鶏肝臓細胞(世界初の「培養鶏フォアグラ」)
高校生による個人宅での純肉培養実験(2017.08.21 NHK放送)
外部から成長因子を添加せずに肝臓細胞を培養する技術の実証データ(2016年、国際学会で発表)
Shojinmeat Projectでは、「オープンソース培養肉」を目指しています。
開発した技術は各自のブログや動画サイトで公開しているほか、活動自体が高校生以下を含めて誰でも飛び入り参加ができるオープンな場で行われています。(⇒毎週のミーティングのご案内)
実験の他にもアーティスト支援や生命倫理勉強会など、分野の縛りの無い活動を通じて、民主化された細胞農業の実現を目指しています。
「メンバー」の定義もなく、実験の他にもブログ、動画投稿、書籍執筆、メディア対応、Twitterなど、様々な方法で活動しています。
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新たな食を作り出し、食料問題を解決できるかもしれない純肉と細胞農業の技術ですが、遺伝子組み換え食品のように、市民を「蚊帳の外」にしたまま、社会の利益よりも特定の会社の利益のためだけに使われ、技術の活用に失敗してしまうリスクもあります。
Shojinmeat Projectでは、一般市民が「オープンソース培養肉」という技術を手にすることで、技術利用の意思決定に直接参加できることを目指しています。これは同時に、畜産農家自身が新たな培養肉を開発したり、一般市民も実体験に基づいた食品安全知識をつけられます。Shojinmeat Projectよりスピンオフした「インテグリカルチャー(株)」のような企業は、経済価値の出る大規模化や製造技術の方面で収益を上げられます。
オープンソース培養肉により、誰もが開発に参加でき、民意が主導する細胞農業を目指しています。
これまで
純肉の一番の技術課題は大規模化と低コスト化です。スピンオフベンチャーであるインテグリカルチャ-(株)が産業規模化を目指す傍らで、Shojinmeat Projectでは一般の方々も独自に純肉を作れる技術を開発しています。こうした一般普及型のバイオテクノロジーは、「DIYバイオ」とも呼ばれています。
純肉100g相当の細胞を培養するには、数百万円から数千万円がかかっていました。例えば「レバー」を作ろうと肝臓細胞を100g培養すると、4000万円ほどかかってしまいます。そこでShojinmeat Projectでは2016年に同じ量の肝臓細胞の培養を40万円程度で行う技術を開発し、2017年9月には世界初の「培養フォアグラ」の試食を行いました。
2017年5月には、培養液に「天然の防カビ剤」である卵白を混ぜるなどして、一般家庭の台所で細胞培養をする技術の開発に成功し、成果は関係者による同人誌にて読むことができます。(動画その1、その2)基礎培地についてもスポーツドリンクへの一部置き換えや、ビタミン剤とアミノ酸サプリなどの家庭用品からの合成をして鶏の心臓細胞の初代培養に成功するなど、大幅に低価格な「食品グレード培養液」を実証しました。機器についても、実験機材の自作や工夫(扇風機による遠心分離など)により、数十万円かかる機材を数千円程度のもので代替するなど、コストダウンが進んでいます。
個人宅での細胞培養液の合成 (2018年)
これから
開発が必要な技術や、実施が必要な実験をまとめています。
・卵黄培地の再現性実験と追試
⇒参考:純肉ジャパリまん実験、FBSの代替品開発。酵母エキスとの組み合わせが現在最有望
・安定的な継代培養実験
⇒参考:細胞培養の手順、培養皿いっぱいに増えた細胞を新たな皿に移すこと。
・培養上清による魚の細胞培養実験(先行研究の引継ぎ)
・細胞足場実験(⇒参考:純肉ジャパリまん実験)
・DIY顕微鏡の製作(⇒先行研究)
・DIY細胞カウンターの制作(⇒先行研究の引継ぎ)
携われる方はコンタクトページまでご一報ください。
ご支援のお願い
ご自身でも実験と研究開発をしたい方、イベント実施やメディア対応などの社会コミュニケーション活動に加わりたい方、純肉や細胞農業に関する創作活動をしたい方など、お力添えいただける場合はこちらをご参照くださると幸いです。
細胞農業時代の畜産農家のイメージ